今話題になっている野生の猿たちの
「寒を温め、ほほ笑みの湧く」観光スポット。
話題性は外国人観光客のほうが、断然人気スポット。
冬場につよ~いあの寒い雪国=地獄谷野猿公苑は、長野県下高井郡山ノ内町にあるが、
志賀高原を源とする横湯川の渓谷にあるという。
何しろ、野猿の公園として1964年に開苑したそうであるが、
その趣旨は「猿と人間の共生を観光客に見せる」国際的な観光地になっている。
標高850mの山深い所(?かどうか)だが、野生の猿たちが1mを超える
積雪の冬山から下りてくるとそこは露天風呂の温泉であったという設定になる
地獄谷温泉(縦4m、横10m)を開放している。
なぜ露天風呂なのか??
開苑のころ、近場にある旅館の人用の露天風呂に仔猿が入浴し、
それを見て大人猿が真似をし始めたのがきっかけらしい。
まさに猿まねの原点というべきか?
観光客と猿が共にそこに(雪が舞い散っていてもである)共存している光景は、
誰が見ても「寒を温め、ほほ笑みの湧く」ハイライトな観光地であろう。
不便な道のりであっても、年間観光客は10万人を集客しており、
夏冬区別なく野生のニホンザルを観ることができるという。
観光客の多くは(老いも若きも幼児でさえも)、
「野生の猿って、もっと怖いと思っていたのに、全然可愛くてアメージング」と、
カメラのシャッターを下ろしたり、湯につかっている猿を身近に眺めたり、
傍に寄り添ったりしながら、誰もが温かいほほ笑みの表情でくつろいでいる。
あぁ…!素敵な眺めだなぁ!!
この秩序は、どのようにして形成されているのだろうか?
実は、観光客に対しての禁止事項がある。
最も厳禁なのが「餌づけ」。
見学者には、普段の猿姿をじっくり観察していただき、
餌欲しさの人を怖がらない猿になるのを防ぎ接触事故を防いでいる。
他に「猿を触らない」「猿からなるべく離れて観察する」
「猿の目をじっと見ない」「猿に馴れ馴れしくしない」
「猿に話しかけない」という禁止事項があるが、
これは、猿が半野生状態のため観光客には無関心であり、
ルールを守れば襲うことはないと。
野生の猿たちの荒々しい接触被害は多く報告されているが、
こうしたルールを徹底していない。
餌づけの禁止により接触事故を防ぎ穏やかな観光資源を確保しているようだ。
余談ながら30数年前、水彩画を楽しんでいた時期があり、
ある写真家が冬山の野猿を写した特集を見て模写絵を描いたことがある。
いろいろな猿の生態(動き)を写していて、可愛いのなんのって、
私は猿のいろいろを一つの画面に集めて野猿の楽園を描いたものだ。
人間社会の人種問題は、まだまだ共生秩序が成り立っていない。
どんなルールにすれば多人種の共生が図れるのだろうか?
今、曽野綾子さんの産経新聞コラムが悩ましい問題提起している。
医療介護の現場は、今後グローバル化してくるが異文化の共生を考えておこう。